ONOMICHI DENIM PROJECTのジーンズとしてすっかりお馴染みになったオリジナルデニム、PJ001。
これまでばらばらと解説記事が出されていきましたが、今一度PJ001とは何なのか?どういったデニムなのか?穿いた時のシルエットは?細かいディティールは?そもそもなぜ生まれたの?こういった疑問を解決できる記事を全3部にわたって書き記していこうと思います!
イマイチどんなデニムかわからなかった方も、すでにPJ001をお持ちの方も、これを読めば疑問も解決!もっと愛着がわく!わくといいな!な記事になっておりますのでお付き合いくださいませ!
デニム生地
まず一番大事なところについて説明せねばならんでしょう。デニムの要、「生地」についてです。
経糸・緯糸
経糸は、国内で整経された6番手のリング糸を下染めした茶綿をベースに、ロープ染色法で繰り返し染め上げた経糸になります。
ロープ染色法とは、決められた本数の白い原糸をロープ状の束にまとめ、インディゴ染料の入った窯に潜らせ染料を定着させ、ローラーで液を絞り、糸を空気に触れさせながら染色する方法。
染料をくぐった原糸は白色から、緑色に染め上がり、絞られたのち空気に触れることで酸化してきます。すると緑色の糸がたちまち馴染み深い青色、インディゴブルーになっていきます。
緯糸は、リサイクルコットンを使用しています。このリサイクルコットンはいわゆる落綿(おちめん)というデニム工場の紡績工程で出る綿の葉カスや短繊維と呼ばれるもので、年間で約260トンにも及びます。
このように綿の繊維にどうしても葉っぱが残ってしまいます。この落綿を捨てずに、細かい葉っぱや塵を取り除く工程を行い、糸に整経することで素材として使えるだけでなく、CO2の削減にも役立っています。
糸としても、経糸と同じく6番手でありながら軽さと柔らかさを持ち、リサイクルコットンならではの糸質の不均一さが程よいムラを生んでいます。
織
こうして作られた経糸・緯糸は昔ながらのシャトル織機で織りあげられていきます。
シャトル織機とは、緯糸を巻いた管を載せた木型が、上下に分けられた経糸の間を左右に往復しながら緯糸を織り込んでいく機械です。
ガションガションとものすごく大きな音を立てて織られていく姿は圧巻、、なのですが、できる生地の幅はおよそ1m以下と、片腕くらいの幅しかできません。
今では効率性を高めた新たな織機も登場しているのですが、このシャトル織機を使って作られた生地には、生地の端がほつれないように織耳、セルビッチが織られています。単に「耳」とも呼ばれていたりします。
このセルビッチがヴィンテージデニムには欠かせない一大要素となってます。
セルビッチ
ジーンズの始祖、Levi’s 501など、Levi’s社の耳は赤色の経糸が織り込まれており、「赤耳」と呼んだりしています。
また、ONOMICHI DENIM SHOPで取り扱いしているRESOLUTE 710/711はコーポレートカラーのオレンジカラーを織り込んだ耳になっています。
このようにPJ001にも当然、耳、ついてます。
さてPJ001は何色が織り込まれているのか、、と言いたいところですが、PJ001は経糸を3本織り込んだオリジナルの耳となっています。この3本にはそれぞれ、「ご愛用いただく皆さま」「尾道のワーカー」「備後のデニム職人」の意味をこめています。
原反加工・仕上げ
そして、PJ001に使われるデニム生地にはねじれ防止加工、縮み防止加工を施しています。
ねじれ防止加工(スキュー)は、織りあがった生地を裁断前にねじり、裁断することで製品になったデニムのねじれを防ぐことができる加工です。
また縮み防止加工(サンフォライズ)は、あらかじめ生地の防縮率を計算し、強制的に縮ませる加工です。
この処理がされていない場合、生地が斜行し耳が裾の前に来ることや、洗いによって大きく縮んでしまいます。
ヴィンテージデニムにおいてはこのねじれや縮みも独特の味わいとなるのですが、PJ001についてはより多くの方に快適にお穿きいただきたいとの想いから、ねじれ・縮み防止の加工をしています。
そして最終的な仕上げにはワンウォッシュ・タンブラー乾燥をかけています。これにより大きく縮みが出ることなく穿き続けることができます。(乾燥機を使われた場合、レングスに最大2~3㎝の縮みが出る場合がございます。)
こうして織られた生地は14.5ozと、ややヘビーウェイトな生地が与える強固さもありつつ、やわらかな履き心地で日常穿きしやすい1本に仕上がっています。
ディティール
さて、穿きたい気持ちを揺さぶる、肝心なディティールです。
開発コンセプトは「働く人が動きやすく、ストレスを感じにくいこと」、
「時代に左右されないスタンダードであること」。これらを念頭に置いたディティールが施されています。
ウエスト・股上
ウエスト部分には、お腹に食い込むのを防ぐため、カッティングを腰の下あたりでフィットする、身体の動きにデニムが合わせられるような工夫がされています。
股上は深く動きやすい長さに、腿から膝にかけて適度にゆとりを持たせ、膝から裾へは少し絞りを入れたカッティングにしています。太ももの部分にゆとりがあることで、動きやすさも向上しています。
さらにボタンフライデニムを脱ぐとき特有のボタンをパパパパっと外していく動作、その際に股部分が割けないようカン止めを打ち、生地にかかる力を分散しています。
ステッチ・リベット
ステッチの縫製糸にはポリエステル繊維を綿でカバーリングし、高い強度に綿糸の風合いを併せ持ったコアヤーン糸を使っています。さらに一般的な糸より少し太い8番手の糸を使うことで強度をさらに高めています。
カラーはゴールド系の茶色を採用、落ち着いた印象に仕上げています。
またマットシルバーのリベット部分にはONOMICHI DENIM PROJECTの文字が。細かいところでも尾道デニムアピールポイントが潜んでいます。
このようにボタン裏側には「BINGO」の文字が。アタリ付き、、というわけではなく、”備後”地方を表した刻印がされています。
ポケット
ポケットには使いやすさや強度を重視したデザインがされています。
コインポケット裏側には口裏側に耳が見えるようなアクセントがされており、フロント部分は開口部分を手や工具などを入れやすいように扇形に近い形へ、またヒップポケットは内側に布を当て補強、ポケット裏側にカン止めを打ち、取り付けの強度を高めています。
これは、建設業の方がポケットにスケールを挿していてボロボロになってしまっていたことから着想を得ています。
この当て布があることで安心して物を入れることができます。
ポケットをよく目を凝らして見ると、スレキに何やら模様が。
穏やかに波打つ瀬戸内海をイメージしたヘリンボーンがデザインされています。
パッチ
そして、ジーパンのアイコンであるパッチ部分にはONOMICHI DENIM PROJECTの焼印を押した牛革を使用しています。この革パッチは因島の革職人さんのもとでひとつひとつ丁寧に作られています。
この革パッチも洗濯などを繰り返していくうちに縮みが出たり硬くなったりと、経年変化を楽しめるのもポイント。
こちらはプロジェクトに参加されている柑橘販売の方のもの。使い込んでいくうちに風合いも変わっていく革パッチ、愛らしいですよね。
サイズ展開
ウエストは25~34・36・38・40インチ、レングスは28・30・32インチの3種類を用意しています。
全部で31通りの組み合わせから、あなたに合ったサイズのデニムを選ぶことができます。
また、同じウエストサイズであればどの長さをお選びいただいても裾幅は共通で、裾上げによりバランスが崩れることを極力防ぎ、最適なシルエットでお穿きいただけます。
サイズやフィット感に関してもメールでのお問い合わせが可能ですのでお気軽にお問い合わせくださいませ。
ここまでPJ001について解説してきました!
しかし、肝心の穿いた時のシルエットはどうなの?
そちらについてはまた次回、第2部にて解説していきたいと思います!
PJ001はONOMICHI DENIM SHOP店頭、ONLINE SHOPより購入いただけます。
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