ドイツからの手紙 VOL.16 〜北欧のポストから 6通目〜

サーメ人の村 行程の半分の地点、湖のほとりにスタロールオクタ(Sutaloruokuta)と呼ばれる村がある。トレイル上には何カ所かサーメ人の小さな村があり、この村が一番大きい村だ。と行っても20戸も家はないけれど。 立ち話をしたオランダ人は「この村はとても貧しい村だ」と言っていたけれど、そう思えなかった。何軒かの家では小さな子供が楽しそうに庭先であそんでいたし、漁に出かける大人も朗らかで自信にあふれていた。確かに見た目は貧しいかもしれないけれど、数百年前から受け継がれてきた暮らしの中に心の豊かさを感じた。なによりこの村から見える景色は「こんなに素晴らしい景色を神が与えたまうとは:God willing and weater permitting」と称されるのだから。 サーメ人の教会 村内にはサーメ人の伝統的な家と木造の家が隣り合わせて立っていた。伝統的な家は木組みの土台に苔をはりつけて風を通さない様にしている。なんだか可愛い作りだけれど、木々の少ない土地で家を造る先人の知恵だろう。その伝統の作り方で村の中心には教会が建てられていた。中に入ってみると椅子のかわりにトナカイの毛皮が敷き詰められ、ステンドグラスを抜けた光が柔らかく射し込んでいた。冬には雪に閉ざされる小さな村、そこに建つ教会にさまざまな思いが浮んだ。

2016-01-09T22:11:51+09:002015. 10. 22|

佐賀とフリーダ・カーロ

みなさんフリーダ・カーロを知っていますか? メキシコの女流画家で、小さい時の病気とその後の交通事故で 体に障がいを抱えながらも情熱的に生きた女性です。 その死後50年を超えて公開された遺品を 日本人の写真家石内都さんが撮影する様子を追った ドキュメンタリー映画『フリーダ・カーロの遺品 石内都、織るように』が 今、佐賀県のシアターシエマで上映中です。 同じ中米の手仕事を扱うブランドとしてilo itooは 映画とタイアップして企画展をさせて貰っています。 [...]

2016-01-09T22:12:00+09:002015. 10. 21|

【尾道デニムと世界一周】デニムを履く時にベルトをする派?しない派?

前回の記事から時間が経つが、同様の土地での出来事の記事である。 僕はカナダのホワイトホースという町に長いこといた。 その町では、日本人の方の家でゆっくりと過ごすことができた。 あまりにも居心地が良いので、結局3週間ほど滞在したほどである。 滞在し過ぎて、この後の旅に影響が出たほどである(笑)    *町の至るところでファーストネイション(先住民)のグラフティが見れる。    *人口約2万人のユーコン準州の州都「ホワイトホース」    *車で20〜30分も走れば大自然が目の前に広がる。 お世話になったのはタカシさんという方の家だ。 数年前にアラスカ→南米を自転車で走破した、 [...]

2016-01-09T22:12:09+09:002015. 10. 20|

尾道と福山に行ってきました03

冬眠する動物と言えばヘビなど変温動物をはじめ、小動物が一般的です。大きな体のクマが冬眠するのは非常にめずらしいこと。しかしそれは厳しい自然界を生き抜くために、肉食だった食事の9割を植物質に変えてまで、クマの遺伝子が時間をかけて冬眠する動物に自身を変化させた結果だったのです。 […]

2023-10-16T18:14:04+09:002015. 10. 19|

ドイツからの手紙 VOL.15 〜北欧のポストから 5通目〜

水源より 氷河や残雪から流れ出す細い水筋はトレイル上で喉を潤わすせせらぎになっていたり、時には集まり、渡るのが困難な川になっている。そんな時はできるだけ飛び石の要領で川を渡るのだけれど、中にはどうしても靴を脱いで徒渉しなければならない場所もある。そんな所では、うっかり転んで荷物が濡れない様に慎重に渡るのだけれど、雪解け水は恐ろしく冷たく「つめてえーー」を連呼する事になった。渡り終えた後、しばらく放心状態になるほど冷たい水に触れたのは初めてだ。 川の水は次第に大きな流れに変わり、海の様に大きいVrihaure湖に流れ込んでいく。ハイランドからは源流が湖に辿り着くまでの道を歩くが、ただ下り道だけではなく何度も大きな丘を越えた。ある丘の上で視界に飛び込んできた湖は息をのむ程に美しく光り、夜10時すぎの日没時テントから湖を眺めると、ノルウェーの雪を被った山々が雲間から照らす夕日に輝いていた。光の雨の様な風景にしばし見とれてしまった。

2016-01-09T22:12:27+09:002015. 10. 15|

空高く、旅心おさまらぬ秋

空が高く爽やかな季節になり「尾道デニム」に足を通すと何とも言えない安心感と丁度よさです。 先日、大阪でのお絵描きの帰りに奈良に寄り道して、三輪山の檜原神社の前で葡萄園をしている方を訪ねました。 葡萄の房を持って、つまみぐいしながら散策。 葡萄の甘さと素晴らしい風景。 丘からは大和三山、箸墓古墳、二上山… その他の数々の遺跡が見渡せます。 檜原神社は「元伊勢」といわれ、宮中を出た天照大神が初めて宮を据えた場所です。 10月3日には檜原神社の鳥居から臨む二上山の真ん中に夕陽が沈んだそうです。やはり古のランドマークと天体の関わりには興味が尽きません。 遠い昔はどんな人がどんなことをしていたんだろう…と考えたり、その人達から今に伝わる風習や文化などを感じながら…ますます「旅心」が抑えられない、いい季節です。

2016-01-09T22:12:40+09:002015. 10. 15|

プロジェクト第2弾で製作の尾道デニム、販売開始!

「色落ちのいい、カッコいい尾道デニム、ありませんか?」 「もう・・・・・いっぱいあります!」 この一言を自信満々に言える日が、遂に訪れます。第2弾で製作した尾道デニムの初のお披露目の場所はなんと・・・明日 10月9日から始まる、鎌倉のキャラバン会場です。 今回の尾道デニムプロジェクト第2弾では90名の方にご協力頂き、総製作数は180本。第1弾のプロジェクトでの「職業によって色落ちスピードが異なる」という気付きを元に、今回は色落ちの状態を見極めながら穿き込む期間を一人一人変えています。 穿き込み期間が最短のデニムは、約10ヶ月。その他1年前後で完成した現在完成したものの他に、第2弾開始から1年以上経った現在も穿き込み続けている人もいて、今年は特に色落ちがカッコいいデニムが随時完成しています。 日々丹念に穿き込み、毎週専門工場で洗いにかけて完成した1本が、あなたを鎌倉でお待ちしています。 その中の一部がこちら。もちろん、こちら以外の昨年製作したデニムも持っていきます。現物を見に、穿きに、ぜひとも会場へお越し下さい。 LOT No.309B [...]

2023-10-16T18:09:04+09:002015. 10. 08|

尾道の旅とデニムショップの楽しみ方。

秋になり、尾道では仮装大会や神社の例祭、映画祭などイベント目白押しの季節がやってきました。真っ青にぬける青空と、キラキラに光る海、活き活きとしている山の緑は、仕事の合間に触れるだけでも相当気持ちが良いです。 さて、観光シーズンでもある「尾道」の旅プラン、九州のテレビでご紹介いただくことになりました。 ⬛︎九州朝日放送 「ドォーモ」 日程:10月6日(火) 深夜24時15分から1時間 企画:「尾道の旅」福岡からの週末オススメ旅行プラン ※女性リポーターによる尾道でのぶらり一人旅企画。尾道の観光スポットや気になるショップを散策する中で、デニムショップもご紹介いただきます。 そして、まちづくりという観点で取り上げていただくことになった番組は 「世界一受けたい授業」 「しまなみ海道」のサイクリングや、Onomichi [...]

2023-10-16T18:24:36+09:002015. 10. 06|

萩の10月

萩の10月はイベント盛り沢山です! 着物ウィーク 10月1日(木)〜12日(月・祝) 城下町の町並みを今もとどめる、風情の漂うまち・萩。 その町並みに似合う“着物”を着て、まち歩きを楽しむイベントです。 そして、公私ともにお世話になっている愛すべき萩の大屋窯さんのイベント! capime coffee さんの出張喫茶室で美味しいコーヒーも楽しんでいただきます。 それはそうと 時にはデニムの状態をお見せしないと、おもいつつも [...]

2016-01-08T17:10:27+09:002015. 10. 05|

尾道と福山に行ってきました02

尾道と福山に行ってきました!!を書こうと思って早1ヶ月…時が経つのは早いですね。と他人事ですが、ブログが更新できておらず、推定約3名のブログを読んでいただいている方には深くお詫び申し上げますm(. .)m さて、現在NYにきております。 […]

2023-10-16T18:13:27+09:002015. 10. 04|

ドイツからの手紙 VOL.14 〜北欧のポストから 4通目〜

ハイランドへ 「歩いてモスキートワールドを超えてきたの?ようこそハイランドへ!」にこやかにヒュッテの管理人が話しかけてきた。このトレイル上には約10~20キロおきにヒュッテが建てられていて、テントの無い旅人はこの小屋に泊まる事が出来る。どうやら3日目のヒュッテまでの宿泊費とフライト料金が同じなので、蚊を嫌う旅人はヘリで湿地帯を超えてくるようだ。着陸したヘリを指差しながら管理人が教えてくれた。たしかにヘリでくれば良かったかも。と思える程に顔や両肩はボコボコになっていた。晴れていても暑くてもレインジャケットを脱ぐと瞬く間に蚊に襲われる。さすがはモスキートワールド。 ハイランドに入ると蚊の姿は急に減り、景色ががらっと変わった。標高が上がった事で苔や低木が広がり、木立はほとんど見えなくなる。氷河の残した池がいたるところにあり、周囲を見回すと残雪、遠くの山々のあいだには氷河が望める。風を遮る場所を見つけテントを張って氷河を見つめていると、巨大な自然の中で自分やテントの小ささをヒシヒシと感じた。 テント旅の自由 テントを持って歩くという事は、重さとザック内のスペースと引き換えに自由を持って歩く事だと思っている。ヒュッテを使ってこのトレイルを旅する人達は、途中で雨が降ったらレインウエアを着込んで歩き、美しい風景でも足を止めるだけになる。 その点、テントを張る場所を定められていないこのトレイル内では、雨が近づいてくればテントを張って逃げ込む事もできるし、美しい風景があればその場で一晩を過ごす事だって出来る。トナカイの糞は至る所におちているけれど、それを気にしなければフカフカの苔のマットの上で寝転ぶ事も出来る。時々、強風に煽られたり、動物の気配にビクついて眠れない事もあるけれど、そのぶん自然に触れ、自由を味わう事ができる。日本でも山にはテントを担いで行くけれど、その何倍も自由だ。

2016-01-09T22:13:26+09:002015. 10. 04|
Go to Top