サーメ人の村

行程の半分の地点、湖のほとりにスタロールオクタ(Sutaloruokuta)と呼ばれる村がある。トレイル上には何カ所かサーメ人の小さな村があり、この村が一番大きい村だ。と行っても20戸も家はないけれど。

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立ち話をしたオランダ人は「この村はとても貧しい村だ」と言っていたけれど、そう思えなかった。何軒かの家では小さな子供が楽しそうに庭先であそんでいたし、漁に出かける大人も朗らかで自信にあふれていた。確かに見た目は貧しいかもしれないけれど、数百年前から受け継がれてきた暮らしの中に心の豊かさを感じた。なによりこの村から見える景色は「こんなに素晴らしい景色を神が与えたまうとは:God willing and weater permitting」と称されるのだから。

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サーメ人の教会

村内にはサーメ人の伝統的な家と木造の家が隣り合わせて立っていた。伝統的な家は木組みの土台に苔をはりつけて風を通さない様にしている。なんだか可愛い作りだけれど、木々の少ない土地で家を造る先人の知恵だろう。その伝統の作り方で村の中心には教会が建てられていた。中に入ってみると椅子のかわりにトナカイの毛皮が敷き詰められ、ステンドグラスを抜けた光が柔らかく射し込んでいた。冬には雪に閉ざされる小さな村、そこに建つ教会にさまざまな思いが浮んだ。

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