ドイツからの手紙 VOL.13 〜北欧のポストから 3通目〜

By 2015年9月24日堀江伸吾

出発地点へ

山々は雲に隠れてみえないが、本来ならば雪を冠した山がみえるはずだ。小雨に車体を濡らしたバスがクビィックヨックに到着した時には乗客は2人になっていた。雨の日は外にいてもしょうがないので、バスを降りて早々にテントを張って地図を覗き込み、明日からの計画や食料を再度確認する。登山や歩き旅を初める前日は、どうしても興奮と不安が混じり合ってなかなか寝付けない。それが旅の楽しみの一つでもあるのだけれど。

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パドィエランタレーデンの始まり

翌朝は小型ボートでの移動から始まった。雪解けの川の水は澄んでいて底まで覗き見る事が出来る。船長の計らいで入り組んだ水路を案内してもらい、小一時間の船旅の後、桟橋には見えないボート乗り場に「Good Luck!」との船長の一言と共に降ろされた。出発前に計った荷物の重さは軽く30キロオーバー。さあ、パドィエランタレーデンの旅の始まりだ。

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蚊の襲来に驚く

それにしても蚊が多い。ボートを降りるとすぐさま蚊の大群に襲われた。ラップランドの旅を紹介するどの本やネット記事にも「虫除けスプレー、ネット、帽子は絶対に忘れるな!」と書かれているはずだ。慌ててネットを被ったころには既に頭が凸凹になっていた。頭まで咬まれないだろうとタカをくくって虫除けスプレーしていなかったけれど、さすがトナカイを襲うヤツ等。髪の毛なんて気にしない様だ。

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ハードな道並み?

出発からしばらくは森の中の湿地や樹林帯をを行く。濡れた木の渡し板は滑り、地面から突き出た石で歩きにくい。反対方向から来た旅人は涼しい顔をして「ここから3日目までがハードだ」とエール(?)を送ってくれた。蚊は多く、歩きにくい道だけど木々の合間から見える青空を楽しみながら、先の事を考えずに歩いていると、所々に「Food Rager」と書かれた木々を見つけた。この意味は「夜、眠る時はテントに食料を入れず、木の上に上げておく事。」付近に熊が棲息している証拠だ。人を襲う事はめったにないと事前に聞いていたが、やっぱり熊は恐いので、早足で通り過ぎた。

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ラップランドの蚊は強し

移動中は登山用ズボンで歩く事になるので、デニムはザックにつめこまれている。旅の間、一日の移動を終えてテントを張った後は近くの水場でシャツなどを洗い、体を拭いて、デニムに履き替えるのがリラックスするための儀式のようになった。着替え終わった後、洗濯物を干していると、デニムの上からもよく蚊に刺された。尾道デニムもラップランドの蚊には敵わないようだ。

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SHINGO HORIE

SHINGO HORIE

三重県奥伊勢出身。10代でスキューバーダイビングにハマり、ダイビングインストラクターになるため、尾道で海技学院に入学。卒業後、ダイビングインストラクターとして就職。山口県、鹿児島トカラ列島、沖縄本島を転々と仕事をする。その後、ダイビングの能力を活かしつつ人助けるため、海上保安庁に入庁。入庁後、潜水士、特殊救難隊として救助活動に専従しつつ、休暇では海外一人旅を続ける。3.11発生後、組織ではなく自分自身の力で人の役に立ちたいと考えていたところ、ドイツ旅で出会った知人がドイツ移住を勧める。悩んだ末、2014年1月渡独。現在、ドイツ語を勉強しつつ、自分探し中。
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