ドイツからの手紙 VOL.9 

By 2015年6月18日堀江伸吾

ミュンヘンの中心街を歩いていると、足下に「Flohmarkt」と、書かれているのを見つけた。どうやら近くでフリーマーケットが開催されているようだ。矢印に従って歩いていくと高級住宅街の歩道に人が溢れ、色とりどり様々な品物が並んでいる一角に辿り着いた。

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並んだ品々を眺めていたおばあちゃんに話しかけると「Hof Flohmarkt」の日だと説明してくれた。ミュンヘンは戦時中に殆どの建物が焼失し建て直されているのだけれど、再建された建物には「中庭:Hof」が設けられていて、住宅街にある中庭や路上で年に一度フリーマーケットが開催される日との事だ。

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歴史を感じる建物の大きく重厚な扉の向こう側、時折迷路の様になる通路を通り抜けると、ぽかっと青空が覗く気持ちのいい空間が広がり、子供達が店番をしていた。子供のおもちゃ、服、本などが特に多く並べられている。

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本を買い求め、お金を渡すと「おつりはいくらになるんだっけ?」と、計算している子供達の姿が微笑ましく写った。

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小さなお菓子屋さんでケーキを買って小休止していると、店番をしていた少女のお父さんが「日本人か?この夏に日本を旅行するんだけど、京都から広島の間を車で巡るならどこがお勧め?」と聞いてきたので、尾道をお勧めしておいた。この夏はミュンヘンから尾道に遊びに行く家族がいるかもしれない。

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「Floh」は「蚤」という意味だけど、一文字変えると「Froh:楽しい」になり「Flohmarkt」が「Frohmarkt:楽しい市」に変わる。街の1ブロック全体で開催されていたので、全てを網羅することは出来なかったけれど、いろいろな品物を眺め、いろいろな人達と話ながら、楽しい時間を過ごす事が出来た。

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さて、デニムが届いてから5ヶ月がたった。随分と色落ちが進んだ様に見える。これからどんな表情に変わっていくのだろうか?

 

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SHINGO HORIE

三重県奥伊勢出身。10代でスキューバーダイビングにハマり、ダイビングインストラクターになるため、尾道で海技学院に入学。卒業後、ダイビングインストラクターとして就職。山口県、鹿児島トカラ列島、沖縄本島を転々と仕事をする。その後、ダイビングの能力を活かしつつ人助けるため、海上保安庁に入庁。入庁後、潜水士、特殊救難隊として救助活動に専従しつつ、休暇では海外一人旅を続ける。3.11発生後、組織ではなく自分自身の力で人の役に立ちたいと考えていたところ、ドイツ旅で出会った知人がドイツ移住を勧める。悩んだ末、2014年1月渡独。現在、ドイツ語を勉強しつつ、自分探し中。

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