本日は長崎より届いた委託販売のデニムをご紹介。

今回で3本目となる”僧侶”デニムが完成しました。
これまで、RESOLUTE710、PJ001と計2本のデニムを作って来られ今回はRESOLUTE711。太めのシルエットの711はこれまでよりは少しやわらかい色落ちに。

LOT No. 11318
職業:僧侶
MODEL:RESOLUTE 711
サイズ:W 76cm / L 77cm (W30/L32)
price:¥42,000+tax

主に境内の掃除や山仕事、草むしりなどの際の作業着として、その他にもお寺の中での事務作業の時など、なるべく長い時間穿くように心がけていたそう。ちょっとした外出の際にも。
職業柄、法衣でいる時間が長いため、一日中穿いているという日はあまりありません。

これまでのデニムと同じように腿の色落ちと共に下がりヒゲがしっかりとつき、メリハリのきれいな色落ち。
腿の縦落ちは、卒塔婆の木くずを落とすときに付いたものです。木工所からあがってきた卒塔婆は木くずが表面にたくさん残っているため、これを落とさないとうまく墨が乗りません。
これまでは雑巾などでふき取っていましたが、この際ジーンズの腿の部分でふき取ることにしたそう。
作業の効率も上がり、いいアタリやヒゲがつきました。
ふくらはぎ裏側。ゆったり穿いていたこともあり裏はきれいめです。
711は左脚だけでなく右脚もしっかりねじれますね。右脚の耳は後ろまできています。
711のステッチは綿糸。この穿き込んで色の落ちた糸とステッチが切れているのをみると711らしくて、コレコレ~!とつい興奮。。隠しリベットによるアタリも711ならではのポイント。デニムの縫製の方法で色落ちも変化していくので面白いです。

【僧侶の方より】
僧侶という生き方は、お経を唱えるだけではなく、ほかにもいろんな仕事があります。
その中でお寺を綺麗に保つという事も、我々に課せられた大切な使命であります。お寺を訪れる参拝者に清々しい気持ちでお参りして頂くことはもとより、掃除や山仕事を通して、自身の心の中を綺麗に磨いていく事、何より、仏様に綺麗な場所からお守りいただくという事が大切です。

慌ただしいお寺の日常の中で、山仕事や境内の掃除を一人で行う時間は、色んなことを考えたり、思考の整理をしたりと、私の中で大切にしている時間でもあります。
その中に、ジーンズを育てるという新しい要素が加わりました。
単純な作業の中で、日々表情を変え、かっこよく育っていくジーンズと一緒に過ごしたことがとても楽しかったです。お寺のお堂、境内、そしていろんな神様仏様がいらっしゃる裏山、そんなお寺で育ったデニムです。

このデニムを通し、私と尾道、そしてデニムショップの皆様と有難いご縁を頂く事が出来ました。
これか先、私が育てたデニムを手にする方と、新しいご縁が生まれ、そこに新たな喜びが生まれれば幸いです。

【僧侶の方より今回のデニムについての感想】
今回の711はサイズをオーバーめに穿いていた事もあってか、色落ちに時間がかかった印象です。生地も薄手で柔らかく、リラックスして穿けた反面、なかなかいい感じにならず焦りもしました。笑
約2年履いていましたが、今年の4月あたりから急に色落ちが進んだ感じです。色落ちが進みやすいゾーンに入っているのでしょう。
ですので、もしどなたかに引き取っていただいたら穿くたびに、洗うたびに色落ちが進んで育てる喜びを感じれるデニムなんじゃないかと思います。
前回までの2本は、かっこよく仕上げるぞと意気込んで穿いていましたが、今回はいい意味で力が抜けて自然体で、サイズ感同様のんびりゆるーく育てれた気がします。

家庭内でも、私がジーパンを洗濯に出すと、「今回は天日干し?乾燥機に持って行くの?」と、一定の理解と協力体制がこの4年で構築されています笑
なんにせよ、デニムを育てるのが日常の一部になっています。

私が以前、長崎を訪れた際、町に刻まれた歴史に興奮しました。そして港と坂、造船、個人的にはすごく尾道と似た雰囲気を感じました。初めて来たのに安心感のある町に惹かれました。
このデニムが尾道と長崎を繋いでくださいました。ぜひこのデニムに刻まれた歴史を引き継いでいってほしい。いいご縁がありますように。