ドイツからの手紙 D. C. VOL.1

By 2017年10月3日REPORT

ドイツは気温が10度以下になる日も続き、秋を楽しむ時間もなく冬を迎えようとしています。スーパーマーケットには気の早いクリスマスケーキ、シュトーレンが並び始めました。日本は秋めき始めた頃でしょうか?

この夏、日本に帰国する機会があったのでJR青春18切符を使って福岡から東京までのあいだ、各駅停車の旅をしました。この切符についてよく聞かれるのですが、心の中に18歳の気持ちと体力の欠片が残っていれば誰でも使えるみたいです。

瀬戸内海を右手に山陽本線を辿る旅の途中、どうしても寄りたかったところがありました。そこは尾道。前回の帰国では伺えなかった場所です。以前、旅するデニム2代目オーナーを請けさせていただいたことにお礼を言いたかったのです。

列車が尾道に着くと20年前に見慣れていた景色は少し変わって、若い観光客がたくさん歩いていました。あの当時の静かな商店街にも新しいお店が増え、すっかり活気付いています。随分と変わってしまったかな?と思ったのですが、海沿いを歩いていると瀬戸内海の香りが鼻の奥をくすぐり、林芙美子さんの「海が見える、海が見えた、5年ぶりに見る尾道の海はなつかしい」という放浪記の一節を思い出し、なつかしの尾道に戻った、ホッとした気持ちになりました。

夜には尾道海技学院時代の先生との再会も果たし、一緒に尾道デニムの店舗に伺うこともできました。驚いたことに先生はもう6本も尾道デニムを育てているそうです。いま尾道デニムの担当をされている和田さんと杏さんにもお会いし、ご挨拶することもできました。

嬉しい報告があります。もう一度、旅するデニムの2代目オーナーを任せて頂くことになりました。今度はストレートタイプのデニムを育てます。ドイツでは学校生活がメインなのであまり旅には出ることができないかもしれませんが、ドイツの空気をしっかりと吸い込ませたいと思います。

夜が更けるまで先生達や尾道デニムの方と語り合った翌日、久しぶりに渡船を使って向島まで渡ってきました。20年前ほとんど毎日のように使っていた渡船は本数が少なくなっていたものの、尾道水道の上を流れる風は変わらずで、昔、先生が「尾道水道には虹色の風が吹いている」と言った言葉と共に当時の生活を色鮮やかに思い出しました。あの頃から随分と時間が経った気がしますが、手を伸ばせばすぐそばにあるような思い出を嬉しく思いました。

懐かしのお店で食べた尾道風お好み焼きも変わらず美味しくて、頬張るうちに舌を火傷してしまいました。尾道に寄ったら是非鉄板からお好み焼きを食べてみてください。美味しいお好み焼きと火傷の関係がわかると思います。

夏の日本を旅したので、ドイツの様子を書く前にデニムとの日本旅の様子を記したいと思います。しばらくお付き合いください。


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SHINGO HORIE

SHINGO HORIE

三重県奥伊勢出身。10代でスキューバーダイビングにハマり、ダイビングインストラクターになるため、尾道で海技学院に入学。卒業後、ダイビングインストラクターとして就職。山口県、鹿児島トカラ列島、沖縄本島を転々と仕事をする。その後、ダイビングの能力を活かしつつ人助けるため、海上保安庁に入庁。入庁後、潜水士、特殊救難隊として救助活動に専従しつつ、休暇では海外一人旅を続ける。3.11発生後、組織ではなく自分自身の力で人の役に立ちたいと考えていたところ、ドイツ旅で出会った知人がドイツ移住を勧める。悩んだ末、2014年1月渡独。現在、ドイツ語を勉強しつつ、自分探し中。
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