プロジェクト用オリジナルデニム<PJ001>完成!

ユーズドデニム創作プロジェクトを通して、備後地方のデニムの魅力発信と尾道の街の魅力発信、さらには日本のものづくりの素晴らしさを発信すべく活動する『尾道デニムプロジェクト』。 プロジェクト立ち上げから5年の経験を踏まえ、初めてスタンダードな5Pデニムの開発にチャレンジいたしました!様々な職種のワーカーたちと日々コミュニケーションを続けてきたからこそ見えてきた、「こんなデニムがあればみんながもっと快適に、そしてカッコ良く働けるのではないか」という理想のデニム像。尾道のワーカーはもちろん、世界中の方にデニムの魅力をお伝えしたい!そんな強い思いで開発に取り組んできました。 開発秘話や苦労話はたくさんありますが、それはおいおいご紹介するとして、今日は完成したデニムを皆さまにご紹介したいと思います。 まずはシルエット。 あくまでもベーシックなレギュラーストレートの範囲内で、少しだけ腰周り~膝のフィット感にゆとりを持たせています。そして膝~裾にかけては程よく絞りを入れており、野暮ったさは無く、全体的にとてもスッキリとした印象です。股上は安心感のある深さとしながらも、身体の動きを邪魔しない作りとなっています。 フロントはボタンフライ仕様で、すべてのボタンとリベットには「ONOMICHI DENIM PROJIECT」の刻印が入り、裏側の脚には「BINGO」と刻印が入っています。 肝心な素材は、備後地方のデニム生地メーカーさんと一緒に開発したオリジナルセルビッジデニム。耳は経糸を3本織り込んだオリジナル耳となっており、ロールアップしても爽やかな印象です。クラシカルなインディゴブルーの経糸と、リサイクルコットンを使用したこだわりの緯糸で織り上げられたデニムは、14.5オンスと肉厚ながら快適な穿き心地となっています。 しまなみ海道の因島の革工房で1枚ずつ手押しされる革パッチ。薬品による加工はあえて施さず、縮みや擦れなどデニムとともに経年変化を楽しんでいただけます。 [...]

2019-01-13T16:31:25+09:002018. 04. 21|

【プロジェクト用オリジナルデニム開発】経過報告

こんにちは。尾道デニムプロジェクトです。しばらく間が開いてしまいましたが、オリジナルデニムの製作は着々と進行中です! 今日は1/4からサンプルを穿き込んでいただいている鉄工所の職人さんのデニムの経過報告をしたいと思います。もう1本のデニムと1週間毎に交互に穿いているので実際には約1ヶ月の穿き込み日数ですが、セルビッジや裾のアタリもしっかり付いてきました。 生地のオンスは約14.5ozとしっかりしているのに柔らかくて穿きやすい、と職人さんにも高評価をいただいています。 フロントボタンや革パッチも良い具合に馴染んできています。 こちらはサンプルで本番とは生地が少し異なるのですが、概ねイメージ通りの感じになっていると思います。本番の生地も完成しており、これから裁断に入ります。裁断が終わればいよいよ縫製、附属の取り付け、仕上げと進んでいきます。 皆さまもうしばらくお待ちください!

2019-01-13T15:00:28+09:002018. 03. 01|

「ヒゲ」はお好きですか?デニムのヒゲの作り方

デニムの魅力のひとつ「ヒゲ」はどうやったらきれいに付けることができるのか?しっかりと穿き込まれたデニムに現れる「ヒゲ」と呼ばれるアタリ。アタリとは、簡単に言えば擦れた跡のことを指し、デニムに立体感のある表情を与えます。そんなアタリの中でも、股の部分につく猫のヒゲのような穿きジワの跡が「ヒゲ」と呼ばれます。コレです!デニムを穿いてしゃがんだり、椅子に腰掛けると、立っている時にはできないこんなシワができますよね。この、よれてシワになった凸の部分は手や衣服などで擦れます。擦れるとどうなるか?色が落ちますよね。反対に凹の部分は擦れませんので色が落ちません。このデニムの生地の凹凸が生む擦れ方の差がヒゲを作りだします。この擦れが多いような穿き方をする人は、よりクッキリとヒゲが付きやすいんです。立ったり座ったりと身体をよく動かしたり、しゃがんだ状態で作業をされるような方ですね。デニムプロジェクトの参加者さんの職業で言えばやはり大工さんや左官さん、壁貼り職人さん、陶芸家さんなどですね。「自分は大工さんじゃないし、そもそも仕事の時にデニムを穿けないよー!」ですよね^^僕も仕事では穿けますが、立ち仕事なのでどんなに頑張っても大工さんみたいなカッコ良いヒゲがなかなか付きません。それも個性なので変な風に気にはしていませんが、実際その差は明らかです。そんな場合でも、少しでもヒゲがくっきり付いた色落ちに育てたい方にアドバイスです。①とにかく長い時間デニムを穿きましょう!②デニムを穿いてよく身体を動かしましょう!③凹凸の凸部分を手で擦りましょう!笑ここからが今日のポイント!④デニムの色が濃くて生地が硬いうちが勝負です。自分のヒゲがくっきり跡が付くまで洗濯せずに我慢して穿き続けましょう!⑤生からではなく、ワンウォッシュして縮めきった状態から穿き込みましょう!ヒゲの位置が変わってしまいますので。⑥脱いだ時はたたんでしまわずに、ベルトループなどをフックに掛けてしまいましょう!④は特に禁断の手法です。何が禁断かというと、大きなリスクと背中合わせだからです。そのリスクとは、、、・臭いが発生し、周囲の方に迷惑をかける※この臭い、自分だけ慣れてしまって気付かないことがありますので要注意です!・汗や皮脂でデニムが黄ばんでくる※色が濃いと気付かないですが、確実に黄ばんでいっています!・汗や皮脂で生地が弱って、股ズレや破れを起こしやすくなる※特に股の部分は上半身でいう脇にあたり、汗や皮脂が溜まりやすい!例:デニムの黄ばみ上のデニムは壁貼り職人が1年間穿き込んだデニムで毎週洗濯下のデニムはお客様が約2年半穿き込んだデニムで、洗濯頻度はかなり少なめ色の違いやヒゲの強さの差は明らかですね。こうした点に注意しながら、穿き方や洗濯のタイミングなどを工夫してみてください。ちなみに一度ヒゲをくっきり付けてしまえば、その後は頻繁に洗濯されても濃淡の差は縮まってきません!皆さんそれぞれ色落ちの好みもあると思いますので「こうしなければダメ」とか「こうするのが正解」といったものはありません。ヒゲがくっきり付いたデニムが嫌いな方も多いですし^^自分なりに色々試しながら世界に1本のデニムを育てていくことが面白いですからね!!それでは最後に尾道デニムのことを。尾道デニムは基本的に「1週間仕事でしっかり穿き込んで1回洗濯する」というルールで育てています。今日のBLOGのように、ヒゲを強く付けようとかヴィンテージ風の色落ちにしよう、とは全く考えていません。信頼できる素晴らしい作業着としてデニムを使い、1週間働いた汚れは毎週きちんと洗濯してきれいにする、そうして穿き手の個性や仕事の特徴を自然にデニムに刻んでいっています。尾道の街の空気感や、働く人の情熱こそ最高のデニムのストーリーと考えているからです。それでは皆さま、楽しいデニムライフをエンジョイしましょう!!

2024-02-12T15:24:51+09:002018. 01. 29|

ボタンフライの魅力

穿いたり脱いだりする時に開け閉めするデニムの前たて部分は一般的に比翼仕立てになっています。 比翼仕立てとは、例えばボタンやファスナーがむき出しにならないよう、かぶせが付いた仕立て(作り)のことになります。 見た目もそうですが、ボタンやファスナーでキズが付かないようカバーする大切な役目もあのです。 さて、その比翼の下に隠された開け閉めの手法ですが、現在ではファスナーが使われることが一般的となっています。調べたことはありませんが、世界中で販売されているデニムの90%はファスナーではないかと思います。 引き手をつまんで上げ下げすることで開閉できるファスナーは本当に便利で、今さらながら素晴らしい発明だと勝手に感動してしまっています。 じゃあなんで尾道デニムはボタンなんだ!?と突っ込まれそうですね(笑) 以前にBLOGで書かせていただいたことがあったと思いますが、デニムの生地は綾織りという織り方で織られていて、洗濯によって捩れがでます。昔はこの生地の捩れを防止する加工技術がなかったため、ファスナーではまっすぐ上げ下げできなくなるという不具合が出てしまうことがありました。また、ファスナーの性能・強度も現在ほど良くなくて、壊れる心配の少ないボタンが使われていたのです。 そしてその実用面から使われたボタンが、デニムに意外な魅力を与えることになったのです。それがコレ! 穿き込んで擦れることによって、比翼の下に隠されたボタン部分がアタリとなってデニムに豊な表情を与えるのです。ファスナーでは出来ないこのアタリ、カッコいいと思いませんか?^^ 尾道デニムプロジェクトでは多少の使い勝手は犠牲にしても、このボタンフライにこだわってリアルユーズドデニム創作を行っていきたいと考えています。使い込むことで表情豊かに色落ちするデニムの魅力のひとつではないかと思うのです。 [...]

2019-01-14T15:02:12+09:002018. 01. 08|

チェーンステッチって何?

明けましておめでとうございます! 新年最初のBLOGは、デニムのチェーンステッチについてご紹介します。 ご存知の方もおられると思いますが、チェーンステッチとは環縫いとも言い、主に裾の仕上げの際に使われる専用ミシンによる縫い方になります。 特徴は下糸が環状になっていることで、裏側を見るとすぐ分かります。 表 裏 このチェーンステッチ、いったいどんな特徴があるかというと、洗濯などによってこの輪っかがギュッと縮むことでデニムの生地を引っ張ります。するとまるで餃子の皮のように生地が撚れを生み斜めにボコボコとうねります。この立体的なうねり(撚れ)が擦れることでこんな感じに独特なアタリができるのです。 通常のシングルステッチでは決して出来ないこの独特なアタリこそがチェーンステッチのカッコ良さと言われます。すごく分かりやすいですよね^^ ただデメリットもあって、チェーンステッチは1箇所が切れるとバラバラとほどけてしまうのです。強度という面だけを考えるとシングルステッチの方が強い面もあるのです。 ※チェーンステッチが特別弱い訳ではありません。あえて比較すると、ということです。 [...]

2019-01-14T15:01:55+09:002018. 01. 06|

PJ用オリジナルデニム、サンプル作成進行中です。

地元・尾道の因島にある革工房さんと打ち合わせを重ねてきましたが、ついに革パッチのサンプルができました。 ※写真はサンプルで、滲んだりとまだ少し完成度が低い状態です。 革の材質や色合い、ロゴの位置やサイズ感など、革パッチひとつ作るのも本当に大変です。あれこれ悩んだうえで、ONOMIMICHI DENIM PROJECTオリジナル5Pの革パッチは、防縮加工をしていない革を使用することにしました。一般的に使われるものは防縮加工されているものが多いのですが、デニムの経年変化と共に擦り切れたり縮みが出るほうが味わい深い、と考えたからです。 ただ、リスクもあり、水に濡れたり熱を加えると変形することがあります。特に熱は影響が大きく、乾燥機をかけると間違いなく変形(縮み)が出ますので注意しなければなりません。革そのものは自然のものなので、縮み方も個体差がありますし。。 そしてこちらが織りネームです。 BINGOとは備後、尾道市のある備後地方です。プリントではなく、文字を織り込んだネームとなり、文字の色はダークネイビーとしてデニムに自然に馴染むようにしています。 少しずつですが、こうしてデニムが形になってきています。完成まではまだまだ色んな試験や、クリアしなければならない問題もたくさんありますが、楽しみにお待ちいただければと思います。 どうぞよろしくお願いいたします。

2019-01-14T15:03:17+09:002017. 12. 26|

プロジェクト用オリジナルデニムのサンプルを穿いてみました!!

製作を進めているプロジェクト用オリジナルデニムのサンプルがあがってきました。やり直すこと数度目にして、ようやくイメージ通りの仕上がりになりました。 「働く人にとって快適で、信頼できる相棒としてのデニム」これが尾道デニムプロジェクトの目指すデニムの芯になる要素です。 そのためには丈夫であること、穿き心地が良いこと、動きやすいことがとても大切。 そしてカッコいいこと!これも絶対外せません(笑) さらにデニムだからこその「色落ちの楽しみ」と「身体に馴染むフィット感」。 なんだか贅沢なことばかり言ってますね^^ オシャレな洗練されたシルエットやデザイン性はありませんが、デニムの本質を尾道デニムプロジェクトとして追求したデニムを目指しています。 完成はもう少し先になりますが、皆さま楽しみにお待ちください!! クラウドファンディングでのご支援も12/30まで募集していますのでご興味を持っていただけましたらご覧ください。よろしくお願いいたします。 https://camp-fire.jp/projects/view/44644

2019-01-14T15:05:38+09:002017. 12. 14|

ありがとうございます!クラウドファンディングの目標達成しました!

こんばんは。ONOMICHI DENIM PROJECTです。 10/17から公開させていただいている尾道デニムプロジェクト初のクラウドファンディング「プロジェクト用オリジナルデニムを自分たちの手で作りたい!」が、目標を達成いたしました!ご支援いただいた皆さま、本当にありがとうございます。また、情報発信にご協力いただいた皆さまへも感謝申し上げます。 尾道デニムプロジェクトクラウドファンディングページ https://camp-fire.jp/projects/view/44644 ご支援いただいた皆さまへもメールを送らせていただきましたが、尾道デニムプロジェクト立ち上げからもうすぐ5年。正直なところよくここまで続いてきたと思います。今でも「これでいいのか?」「もっとやらなければならないことがあるのでは?」と自問自答の毎日です。それでもこうしてプロジェクトを進めていけるのは、応援してくださる皆さまのお力添えあってのことだと今回改めて実感いたしました。 ☆尾道デニムプロジェクトの第2ステージとして行う「プロジェクト用オリジナルデニムの開発」☆ まだまだ未完成で、応援してくださる皆さまのご期待に応えられるか不安もありますが、この大切な一歩を成功させるべく全力で取り組んでいきますので今後もどうぞよろしくお願いいたします。 また、クラウドファンディングの公開期間は12/30(土)までとなっております。ご興味をもっていただきましたらぜひ公開中のプロジェクトをご覧ください。 [...]

2019-01-14T15:05:27+09:002017. 12. 07|

開発中のプロジェクト用オリジナルデニム。いよいよ生地の完成が近づいてきました!

こんばんは。尾道デニムプロジェクトです。 尾道デニムプロジェクトでは現在、「プロジェクト用オリジナルデニム開発への挑戦!」を行っております。 ※ぜひコチラをご覧ください https://camp-fire.jp/projects/view/44644 CAMPFIREさんのクラウドファンディングページへも活動報告をUPしていますが、いよいよ最も重要なデニム生地の開発が最終段階に入りました。 「いったいどんなデニムになるのか??」 実は私たちもワクワクしながら企画・製作をすすめています!!今日はそのデニム生地につてご紹介したいと思います。 何度も打ち合わせと試作を繰り返し、開発スタートから8ヶ月以上かかりましたが、「よし、コレだ!」と納得できる生地の完成がいよいよ見えてきました。まだサンプル段階ですので本番の生地はお見せできませんが、できるだけ詳しくご紹介させていただきます。 まずオンス(生地の重さ)ですが、14.5オンス程になります。縦糸、横糸共にしっかりした番手の糸を使用しており、もちろんCOTTON 100%になります。 [...]

2019-01-12T17:06:12+09:002017. 11. 09|

クラウドファンディングへのご支援、誠にありがとうございます!

10月17日にスタートさせていただいている、尾道デニムプロジェクト初の挑戦となるクラウドファンディング「プロジェクト用オリジナルデニム開発にチャレンジ」へ多くの皆さまからご支援をいただいており、支援金額が本日で目標の60%に達しております。 ご支援いただいている皆さま、本当にありがとうございます!! 先ほどクラウドファンディング(以下CF)ページへ活動報告もUPさせていただきましたのでぜひご覧ください。 https://camp-fire.jp/projects/view/44644 オリジナルボタン、リベット、革パッチ等の附属製作も進行しながら、かんじん要のデニム生地開発も全力で取り組んでいます。まだ完成とまではいっていませんが、かなり良いデニムができそうですのでご期待ください! ※写真のデニムはサンプルです CFは12月30日までとなります。ご興味を持ってくださる方、応援いただける方はぜひ一度CFページもご覧いただけますと幸いです。 どうぞよろしくお願いいたします。

2019-01-12T16:58:09+09:002017. 10. 26|

クラウドファンディング開始のお知らせ

尾道デニムプロジェクトではこの度、プロジェクト用デニム(尾道デニムのベースとなるデニム)の開発にチャレンジいたします。 その開発資金・製作資金を皆さまにご支援いただきたく、CAMPFIREさんでクラウドファンディングを行わせていただくことになりました。 ご興味を持っていただいた方は、こちらをご覧いただけますと幸いです。 【尾道デニムプロジェクト クラウドファンディングページ】 http://camp-fire.jp/projects/view/44644 以下、今回の主旨と内容になります。 2013年1月にスタートした尾道デニムプロジェクトももうすぐ5年になろうとしています。 立ち上げからこれまでは、世界が認める日本のデニムブランド「RESOLUTE」のデニムを使わせていただいてきました。RESOLUTEは多くのファンの方から支持されるブランドで、本当に素晴らしいデニムを作っています。 一方で私たちは、「ユーズドデニムを育てる」という世界初のプロジェクトを通して得た経験や、また、街のプロジェクト参加者の方々の声を元に、より多くの方にフィットする“丈夫”で“穿き心地がよく”“育てる楽しみを味わえる”デニムを自分たちの手で作りたい!と考えるようになりました。 これまでにもプロジェクト参加者さんのアイデアを活かしたワークパンツをオリジナルデニムとして開発・販売していますが、今回チャレンジするデニムは、プロジェクトの根幹となる「ユーズドデニムを育てるためのスタンダードな5ポケットデニム」となります。 [...]

2019-01-12T16:57:20+09:002017. 10. 17|

デニムの色落ちの謎

実は色落ちするのはデニムだけではなく、Tシャツであれニットであれ染色された糸で織られた衣類は着用を繰り返していくと色落ちします。もちろん洗濯でも色落ちするし、紫外線による色褪せ(=日焼け)でも色落ちします。 最近のカラーパンツによく見られる製品染めは、白(生成り)の生地で作った白いパンツを製品のかたちで染料に入れて染めており、糸の状態で染めて織り上げたものと比べると色落ちが早い特徴があります。その代わり、均一でないムラ感ある染め上がりが独特の「味」となり、生産効率も良いことからよく使われる染め手法です。 一方デニムはというと、もちろん糸の状態でインディゴ染料で染めています。面白いのは、インディゴ染めされた糸を使うのは表側にくる縦(タテ)糸のみで、裏側になる横糸は染めていない生成りの糸で織り上げらることです。なのでデニムは裏返すと白いのです。 そしてデニムを染めるインディゴ染料、実はかなり色素が定着しにくい染料で、しっかり濃い色に染め上げるには何度も何度も繰り返し染め工程を行う必要があり大変な手間がかかるのです。効率化を求めて別の染料で下染めなどする場合もありますが、基本的には何度も浴槽を潜らせながら少しずつ濃い色に染めていくのです。 これによってどんな事が起こるかというと、デニムの縦糸の断面をご覧いただくと一目瞭然なのですが、糸の芯まで染まっていないのです。これを「芯白(シンジロ)」とか「中白(ナカジロ)」と言います。芯が染まらず白いままという事は、穿き込んで外側のインディゴ染料が落ちてくると芯の白い部分が出てきて色落ちするのです。なのでのっぺりと色落ちせず、よく擦れる部分と擦れにくい部分のメリハリが効いて立体感が生まれるのです。これがデニムの色落ちの秘密です! また、糸そのものや織り上げた生地がフラットな状態よりも、太さにムラがあったりザラつきがある不均一な状態のほうが色落ちにメリハリが出やすいと言えます。最新のハイテク織機で織った生地もきれいで良いですが、デニム本来の味のある色落ちを楽しみたい方は旧式の力織機で織ったビンテージタイプのデニムを選ぶとより色落ちを楽しめると思います。 今日はデニムの色落ちの話しでした。マニアックな話にお付き合いいただきありがとうございました。

2019-01-06T12:10:08+09:002017. 07. 02|
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