旅するデニム ~ドイツからの手紙vol.3 ~

By 2015年2月15日堀江伸吾

「旅するデニム 〜ドイツ〜」の堀江さんは、旅人だ。尾道デニムを連れて、いろいろな国へ旅をする。日本は春の訪れを控えている中、ドイツへ旅立ったデニムは、尾道では体験できない冒険を日々重ねているようだ。


ドイツ▶︎アイスランド▶︎ロンドンへ
前回の手紙では、ドイツからアイスランドへの旅の経過を記した。その後、アイスランドからドイツへ帰る飛行機が、突然の降雪により遅延した。「乗り継ぎに間に合わないかもしれない」と思った不安は的中。乗り継ぎの搭乗ゲートに走ったにも関わらず、無情にも予定の飛行機は離陸してしまった。自分が乗るはずの飛行機を見送るのはなんと悲しい事か。空港内でしばらく呆然した後、なんとか立ち直り翌朝6時発の飛行機を確保することが出来た。トラブルはあまり味わいたくもないけれど、これも旅のエッセンスだ。クヨクヨしていてもしょうがないので、電車でロンドン市内に出る事にした。初のロンドン訪問は思わぬ形になってしまった。

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ロンドンの空気を吸ったデニム
ロンドンの雰囲気はドイツとはまったく違う。建物も人々の服装も。デニムを履いている人の数も少なくスーツ姿やおしゃれな人が多い。国が違うと服装もまったく様変わりするのが面白い。冬場にドイツに来る事があれば、ファストファッションのショップに行って欲しい。黒色の冬用ジャケットだけがずらっと並んでいるのを見る事が出来る。いかにもドイツらしい。

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市内のスポーツPUBでギネスを吞み、地元の客達とサッカー観戦をした。短い間でも少しロンドンを味わう事ができた。早朝の便なので、市内から空港に移動してロビーに一泊。耳栓とアイマスクがあればなんとか眠れるものだ。固いくて冷たい床には辟易としたけれど。

引き継いだ尾道デニムと僕の共通点
今履いているデニムのLOTは「173B」。元々は尾道市役所の関係の方が履いていた品だ。僕も元は公務員でデニムとも共通点がある。まさか初の尾道デニムとの旅で空港泊をするとは思わなかったが、デニムもこの旅でハードな経験をする覚悟が決まったと思う。旅から帰ってきたデニムは少し無精ヒゲが生えて、少し旅人の顔になってきたと思う。
旅の後デニム

ドイツは冬の真っ只中
ドイツへ戻った。雪が積もった。今年はこれで3度目の大雪。ドイツでは、自宅の前の歩道に積もった雪を朝8時までに雪かきしなければならない。もし、雪かきをしなくて滑って怪我をした人がいたら、それは家主の責任になる。寒い中雪かきを終え散歩に出かけると、いつもとは違った風景を見る事が出来る。ソリ遊びに夢中になる子供達。雪化粧をした建物。そして、雪の森。

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ドイツでは家のそばに森がある。日本の山とは違って平坦な穏やかな森。必ずと言っていい程、森の中を隣村まで道が続いている。その道を散歩するのが好きだ。雪の森は夏と違った優しさがある。夏は木漏れ日と緑の森。冬は静かに佇む青白い森。

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冬用のブーツを履いて人のいない森を歩く。デニムの裾はびしょ濡れだけど気にしない。時折、梢からパラパラと落ちる雪が薄日に照らされている。翌日の雪かきを思うと気も体も重いけれど、雪の森には日本では体験出来ない格別の楽しさがある。(つづく)
(text:Shingo Horie/Germany )

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SHINGO HORIE

SHINGO HORIE

三重県奥伊勢出身。10代でスキューバーダイビングにハマり、ダイビングインストラクターになるため、尾道で海技学院に入学。卒業後、ダイビングインストラクターとして就職。山口県、鹿児島トカラ列島、沖縄本島を転々と仕事をする。その後、ダイビングの能力を活かしつつ人助けるため、海上保安庁に入庁。入庁後、潜水士、特殊救難隊として救助活動に専従しつつ、休暇では海外一人旅を続ける。3.11発生後、組織ではなく自分自身の力で人の役に立ちたいと考えていたところ、ドイツ旅で出会った知人がドイツ移住を勧める。悩んだ末、2014年1月渡独。現在、ドイツ語を勉強しつつ、自分探し中。
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